東京アスリート認定選手・インタビュー(53)初見実椰子選手(国立市)・金城ありさ選手(国立市・三鷹市) ハンドボール(2020/2/19)

初見実椰子選手、金城ありさ選手の写真

【プロフィール】
はつみ・みやこ    1997年9月10日生まれ 東京女子体育大学所属
きんじょう・ありさ  1999年12月8日生まれ 東京女子体育大学所属
2018年 全日本学生選手権 1位
2019年 関東学生ハンドボールリーグ戦 女子1部 優勝

東京2020大会で44年ぶりに女子日本代表の出場が決定している「ハンドボール」。
 女子ハンドボールの強豪、東京女子体育大学に所属する4年生でキャプテンの初見実椰子選手と、2年生の金城ありさ選手は、佼成学園女子高校時代から一緒にプレーをしてきました。金城選手が「初見選手からのボールはここにくると、感覚的に通じるものがあります」と言えば、初見選手も「来てほしいところに来てくれて、シュートを決めてくれる」と2人のコンビネーションはピッタリです。

【大会情報】
ハンドボール女子日本代表大会情報はコチラ⇒ 日本ハンドボール協会HP

~ハンドボールを始めたきっかけを教えて下さい~

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初見:小学校6年生まではバスケットボールをやっていて、元々球技全般が好きでした。入学した中学校のハンドボール部が強いと聞き、未経験の競技をやってみたいという思いもあり、ハンドボール部に入部しました。バスケットボールとルールが似ており、そんなに戸惑いはなく、新しい事をどんどん吸収して自分のものにしていくのが、楽しくて仕方がなかったです。

金城:元々 3つ上の姉がハンドボールをやっていて、その影響で自分もやりたいと思い始めました。小学校1年生から始めたので、今年で14年目になります。最初は同級生もいなくて、遊び半分でやっていましたが、所属チームが強かったこともあり、高学年になると意識も変わってきて、全国大会を目指し練習も厳しく取り組むようになりました。

~ハンドボールの魅力はどんなところですか?~

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初見:球技の中の格闘技と言われるほど、ハンドボールは凄く激しいスポーツです。特に空中でボールをもらって、そのままシュートするという『スカイプレー』などテクニックを必要とし、豪快で見ごたえのあるプレーが沢山あります。
また、ハンドボールはある程度の接触プレーが許されているので、その激しさに驚かれることもありますが、華麗なプレーや激しい接触など、色々な面があるので見ていると自然と引き込まれていくのが、ハンドボールの魅力です。

金城:ハンドボールには「投げる」「走る」「跳ぶ」という3つの要素が全部揃っているので、そこは他の競技にはない魅力だと思います。1つの技術だけではなく、3つの要素をトータルで高めなくてはいけないところも選手として魅力があります。

~2人は高校生の頃から一緒にプレーしていますね~

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初見:高校3年生の時は、都内のライバルチームにずっと負けていて、なかなか全国大会へ行けず悔しい思いをしていました。絶対に勝たなくてはいけない最後の大会で、1年生の金城選手がメンバー入りをし、ライバルチームに勝利する事ができ、念願だった全国大会の切符をつかむことが出来ました。金城選手の存在は大きく、後輩ですが尊敬しています。

金城:東京女子体育大学に入学したのも、絶対に初見選手を勝たせたい、という思いがあったからです。高校生の頃、自分が苦しい時にいつも初見選手に助けていただき、だからこそ絶対に初見選手を勝たせたいという思いがあります。

~それぞれの強みを教えて下さい~

初見:積極的なディフェンスが得意です。私のポジションはポスト※1ですが、身体を張ったプレーで、積極的にディフェンスをすることで、チームにチャンスを引き込みます。特に駆け引きや判断力は自分の強みです

金城:周りに比べて身長が低いことを活かし、高身長の選手を盾にしてキーパーから隠れながら打つシュートや、ディフェンスが腕を上げる前を狙って打つクイックシュートが得意です。タイミングをずらしたり、ディフェンスの腕を利用してかわしたりなど、小さいなりにシュートの幅を広げています。

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※1ポスト…相手のゴールエリア付近に位置し、最も身体接触への強さが求められるポジション。相手チームの動きを制限し、攻撃スペースを作り、シュートのきっかけを作る役割。

~初めて世界の舞台を経験した時はどうでしたか?~

初見:2018年の世界学生選手権の時に初めて日本代表の選考合宿に参加しました。実際に海外の選手と対戦してみると体格の大きさや、身体のバネが日本人とは違い、驚くことばかりでした。とても緊張しましたが、不思議と楽しんでいる自分もいて、とにかく衝撃的だったというのが一番の印象でした。

金城:初めての国際試合は、中学校3年生の時の韓国との交流試合でした。同じアジア圏なので体格差はなかったのですが、アジア1位の韓国には、同世代でもキャリアやスキルの違いに圧倒されました。
また、高校2年生の時に初めての世界選手権に出場しました。ヨーロッパの選手は、身体の大きさや、身体能力がアジア選手とは全く違い、本当に同世代なのかなと衝撃でした。そんな中、自分が世界でどこまで通用するのか試す機会にもなりましたし、課題も見つけることができたので、とても良い経験になりました。

~日本が世界と戦う上で必要なことはなんですか?~

初見:ヨーロッパの選手とは体格差があるのでパワーの面では1対1で張り合うことは厳しく、なかなかシュートまで持ち込むのは大変かと思いますが、ディフェンスからボールを奪って速攻を狙うという連動した展開は、日本の強みになると思います。

金城:前回、日本代表合宿に参加したとき、フィジカルの強化に力を入れていました。日本はフィジカルが弱い、というイメージで終わらせるのではなく、筋力や持久力などフィジカル面もさらに強化していけば、世界相手にも戦えると思います。

~今年は東京2020大会が開催されますね。~

初見:オリンピックにハンドボール日本代表が出場するのが44年ぶりなので、どこまで世界のチームと戦えるのかが楽しみです。ヨーロッパ勢のレベルはかなり高いので、厳しい戦いになるかと思いますが、ベスト8まで勝ち上がってほしいです。

金城:とても厳しい戦いになるかと思いますが、まずは予選を突破して、決勝トーナメントで1勝でも多く勝ち進んでほしいです。
小さい頃から日本代表になる事が私の夢であり目標です。自分の世代の時に東京でオリンピックが開催されることは、滅多にないチャンスなので、最後まであきらめずに代表入りを狙いたいと思います。

~東京アスリートに認定されたことはいかがですか?~

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初見:すごくありがたいことですし、認定していただいたことで、自分自身意識も変わり、自覚をもって練習をしています。

金城:認定していただいて、自覚や責任が出てきました。これを機に、ハンドボールにもっと興味を持っていただけるよう、自分たちの活躍で盛り上げていきたいです。

~将来の夢を教えて下さい~

初見:もっと多くの人にハンドボールを知ってもらいたいです。夢は日本代表として、強豪と言われる国を倒して、日本全体が盛り上がってくれたら嬉しいです。

金城:目標は日本代表に入ることです。また、子供達にもハンドボールの面白さを伝えていき、周りから応援されるような選手になりたいです。

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