株式会社 東急スポーツオアシス
会員制総合フィットネスクラブ

障害のある方にも、ご要望をよく聞いて、一般の方と同じように利用いただきます。

写真:本駒込店の鈴木マネージャー
本駒込店の鈴木マネージャー

1985年から首都圏・近畿圏を中心に、幅広く店舗を展開している会員制総合フィットネスクラブ「東急スポーツオアシス」。本格的なアスリートのトレーニング、ジュニアからシニアまで幅広い年齢層のユーザーなど、さまざまなニーズに合わせたプログラムを提案しています。近年は、障害者の利用も増えてきているとのこと。

今回、文京区にある「東急スポーツオアシス本駒込」の鈴木智之(すずき・ともゆき)マネージャーにお話を聞いてみました(令和2年2月取材)。

障害のある方でも、特別な対応はありませんが、配慮をしております。

人数は多くはないが、障害のある様々な方が一般の方と一緒に利用

人数は多くはありませんが、身体障害(肢体不自由、視覚障害、聴覚障害)、知的障害の方などが利用されています。障害のある方だけの枠を設けているわけではなく、あくまでも一般会員と同じ扱いになります。もちろん、障害の度合いによっては充分に配慮いたしますが、特別な対応はしていません。

スタッフの手を借りずにご自身のことができればご利用いただけます。自分でウエアの着替えができる、施設内を移動できる、トイレにいけるなどといったことです。付き添いで同伴されている方は、プールサイドでの見守りや送り迎えだけなら会員である必要はありません。もしもマンツーマンでサポートをご希望であれば、パーソナルトレーナーをご案内することもできます。

とにかく私たちは相手のご要望をよく聞き、すべてお答えします。私たちのできること、できないことをすべてお話して、ご本人が納得のうえでご利用いただくことが大切です。もしも施設やプログラムについて不安であれば、障害のある方には、一度、お試しで無料体験を行って判断してもらうこともあります。

利用者の方に快適にご利用いただけるよう心遣いが大事

廊下やマシンの間隔は広めにとって、シニア会員や障害のある方も使いやすく

写真:広めにとった通路
広めにとった通路

本駒込店だけではありませんが、最近できたオアシスは廊下や通路が広く設計されている傾向にあります。特に障害のある方だけを意識したわけではありません。どこのクラブでもシニア会員も増えていますので、極力段差をなくしたどなたにも優しいフラットな作りになっています。

またトレーニングマシンの間隔は広めにとってあり、どなたに対しても使いやすい工夫をしています。マシンを使わなくてもストレッチや体操など体を鍛えることができるフリースペースも設置しており、これらは障害の有無にかかわらずご利用の皆さんに好評です。ご自身に合った利用方法でジムを活用していただけます。

写真:マシンの間隔も余裕をもって設置
マシンの間隔も余裕をもって設置
写真:障害の有無に関係なく好評のフリースペース
障害の有無に関係なく好評のフリースペース

館内はシックで落ち着いた色合いのデザインですが、更衣室やシャワー・トイレ・風呂などの水回りは、シニア会員などに配慮して足元が見えやすいよう明るい色調にしています。「誰でもトイレ」は広めに作られていますから、障害のある方で異性の付き添いの方が着替えの手伝いをすることがあれば、こちらを利用していただくようご案内をしています。

写真:広めのスペースを取ったシャワー室
広めのスペースを取ったシャワー室
写真:誰でもトイレは更衣室としても利用
誰でもトイレは更衣室としても利用

車いす置き場の設置に、他の会員の方も自発的に協力

エントランス前に駐輪場があるのですが、そこにシニアカー(ハンドル型電動車いす)を置いて杖で館内に入る方がいらっしゃいましたが、その方が来る時間帯は自転車が多く、いつも遠くに車いすを置いていました。そこで、エントランス前に「車いす置き場」を設置し、ご希望に応じて車いすを置けるスペースを確保いたしました。それからは私たちがアナウンスするわけでもなく、他の会員メンバー、自転車のご利用者が自発的に協力してくれています。

写真:車いす置き場01
エントランスの近い場所に「車いす置き場」を設置
写真:車いす置き場02

障害のある方はスタッフ間で情報共有。あとはちょっとした気遣い

障害のある方も他の会員に対しても私たちの対応は変わりません。ただ、その方に障害があることはスタッフ間で情報共有しています。足の悪い方であれば転ばないような気遣いをしますし、聴覚障害の方であれば筆談ボードを使うなどお声がけの方法を変えています。

またスタッフのシフト時間帯はある程度は固定しており、障害のある会員の方も決まった時間に来られることが多いので、だいたい同じスタッフが対応しています。その時間帯におられる他の会員メンバーも、なにげなく見守ってくださっている雰囲気があります。会員の方にとっても、私たちにとっても顔馴染みであることは安心に繋がっているかもしれませんね。

写真:耳マークを設置して筆談のご用意をPR
耳マークを設置して筆談のご用意をPR
写真:受付に設置された筆談ボード
受付に設置された筆談ボード

障害のある方の施設利用に配慮できるよう講習セミナーを実施

本社で行われたスタッフ総会で、株式会社ミライロの代表取締役、日本ユニバーサルマナー協会理事を務める垣内俊哉さんによる講習セミナーが行われました。会社として、スタッフが障害のある方の施設利用に配慮できるよう取り組んでいると思います。

株式会社 東急スポーツオアシス
https://www.sportsoasis.co.jp/

取材を通して学んだこと

近年、会員制総合フィットネスクラブではシニア世代に向けた施設やプログラムを充実させてバリアフリー化が進んでいます。障害のある人でもちょっとした配慮と気遣いがあれば、安心安全に利用することができます。多様化していくフィットネスクラブは、障害の有無に関わらず、誰もが気軽に利用できるユニバーサルな施設へと歩んでいくのではないかと感じました。