附属資料パラスポーツの振興▼▼1パラスポーツの振興の意義―258―パラスポーツ振興の意義はじめにパラスポーツを取り巻く状況附属資料>パラスポーツの振興>1パラスポーツの振興の意義本計画では「誰もがスポーツを楽しむ東京を実現し、一人ひとりのウェルビーイングを高め、社会を変革する」を基本理念としています。そのため、スポーツ振興全般について、障害の有無にかかわらず誰もが参加できる事業実施や、バリアフリー化やユニバーサルデザインなど障害のある人に配慮した視点を持って展開し、パラスポーツを含めたスポーツ施策を一体的に推進していくこととしています。一方で、障害のある人のスポーツ活動には多くの特有の課題があります。これを解決するためには、東京都を含む⾏政機関や関係団体、⺠間企業が連携し取組を進めるとともに、都⺠の皆様をはじめ幅広い層にパラスポーツへの理解を深めていただくことが重要です。ここでは、本編におけるスポーツを取り巻く状況や意義などについて、パラスポーツに特化して記載するとともに、施策を体系的に把握できるよう、主な取組を抜粋して分かりやすく再掲します。パラスポーツは、障害に応じて競技規則を変更したり用具等を用いて障害を補い、現存する機能を最大限発揮できるような工夫が加えられながら、当初は医学的なリハビリテーションも目的の一つとして発展してきました。近年ではこれに加え、障害の有無にかかわらず誰でも楽しめるユニバーサルスポーツとして広く親しまれ、さらにはパラリンピックの発展に伴い競技スポーツとしても脚光を浴びるようになりました。さらに、平成26(2014)年の障害者権利条約の批准や令和6(2024)年の改正障害者差別解消法の施⾏なども背景に、DE&I(多様性、公平性、包摂性)推進の重要性が広く社会に認識されつつある現在にあっては、パラスポーツは、誰もが活躍できる社会の必要性への気付きになることから、官⺠問わず、共⽣社会実現に向けた大きな推進⼒としても注目されています。こうした状況も踏まえ、パラスポーツ振興の意義は次の3つの視点から整理することができます。まず障害のある人にとっては、障害のない人と同様、身体を動かす楽しみや爽快感の享受、他者との交流などのほか、特有の意義として身体機能の維持・向上、社会参加の機会の増大などが挙げられます。障害のない人にとっても、子供や高齢者、運動が苦手な人を含め、誰もが楽しめるスポーツとして、様々な人のクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献できる可能性を持っています。また、共に楽しむことで、障害や障害のある人への理解を自然な形で深めることができます。社会全体にとっても、誰もがスポーツを楽しめる環境づくりにより施設のユニバーサルデザイン化が進むほか、多様な人が集まり交流することで、新しい価値観の創出や社会の多様性の確保にも大きく寄与すると考えられます。1パラスポーツの振興の意義
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