結果につながる攻めの姿勢を覚えて、目指すはオリンピック
- フィギュアスケート
- 住吉りをん 選手 (杉並区)
全国高校総体(インターハイ)優勝や、全日本学生選手権(全日本インカレ)優勝など国内大会で結果を残し、国際スケート連盟公認大会で日本女子で初めて4回転トウループを成功させるなど、輝かしい実績を残す住吉りをん選手。開催まで2年を切ったミラノ・コルティナ2026 冬季オリンピックに向けての意気込みや、生まれ育った東京都杉並区での思い出について伺った。
すみよし・りをん 2003年8月15日生まれ。東京都杉並区出身。オリエンタルバイオ/明治大学所属。4歳でスケートを始める。2016年全日本ノービス選手権ノービスAにて当時のノービス歴代最高得点を更新し優勝。2023-24シーズン、フランスグランプリにて総合3位、2024-25シーズン、FISU冬季ワールドユニバーシティゲームズ優勝。国民スポーツ大会冬季大会(国スポ)3位。チャレンジカップ2位。
姉の姿を追いかけて始めたスケート
姉が荒川静香さんに憧れて、スケート教室に通い始めました。当時の私は何でも姉の真似をして「お姉ちゃんと同じことがやりたい」と、一緒にスケート教室に通わせてもらいました。他にもバレエやピアノ、水泳にヒップホップダンスとさまざまな習い事をしましたが、その中で残ったのがスケートです。
フィギュアスケートの魅力とはどんなところにあるのでしょうか。
同じ技や同じ曲でも、選手によって全く違う作品ができあがるところに魅力を感じています。一方で、その選手の得意な分野の曲でプログラムを構成してくることもあれば、その選手にとってチャレンジングな曲を選ぶこともある。それだけで、この選手はこんな演技もできるんだ、こんな表情もを見せてくれるんだと感じられるところに魅力があると思います。
プレッシャーを克服し、結果を残せた今シーズン
2024-25シーズンは、住吉選手の活躍が際立っていますね。
FISU冬季ワールドユニバーシティゲームズや、日本学生氷上選手権大会(インカレ)などで優勝できましたし、国民スポーツ大会冬季大会では、2024-2025シーズンの中で自己ベストの212点を出せました。特にシニアに上がってから、結果を残さなければという強いプレッシャーを自分で自分にかけてしまっていたせいか、2022-23、2023-24シーズンあたりは練習どおりの演技が本場ではできないことに苦しみ続けていました。200点を出す実力はあるのに出せないと言われ続け、大きな大会になると萎縮してしまい、試合が怖くなって気持ちが落ち込むことも多かったです。
オフシーズン中にイメージトレーニングを重ね、演技を自分の中に落とし込むことに専念した結果、滑ることを楽しみながら試合に臨めるようになりました。
特に国スポは主要な国際大会などと比べると雰囲気が違い、楽しみながら参加できるところがあって私は大好きな大会です。リンクサイドに東京都の選手だけでなく、東京都以外の選手も集まって応援してくれ、とても盛り上がるんです。私は会場の盛り上がりにパワーをもらい良い結果を出せることが多いので、応援に後押しされ自分の力を出し切って楽しく滑ることができました。緊張が強いられる試合とはまた違う雰囲気がある国スポだからこそ、2024-2025シーズンの自己ベストを出せたのだと思います。
攻めの姿勢で、ミラノオリンピックを目指したい
2026年に開かれるミラノ・コルティナ冬季オリンピックが大きな目標です。辛かったシーズンを終えて、ひと回り強くなれたと感じていることもあり、オリンピックも手の届く範囲にあると思っています。
しかし、ここぞというときにまだまだ萎縮する癖が出てしまうこともあるので、大きな大会だからといって萎縮するのではなく、自分を思いっきり発揮できるようにしていきたいです。坂本花織選手など、ここぞというときに強い先輩方を近くで見てきたので、来シーズンは私も自分の力を出し切れる強さを身に付けて、自分からメダルを取りにいくんだという強気の姿勢でいきたいと思っています。
公園での花見や田植え体験。友達と遊んだ楽しい思い出
東京ゆかりのアスリートとして、ゆかりの地は杉並区だと聞いています。杉並区で思い出深い場所はありますか。
小学生の頃は、柏の宮公園や浜田山公園で遊んでいましたね。柏の宮公園は大きな広場があって、その周りを囲むように桜の木が並んでいます。そこで友達の家族と一緒にお花見をしたことが一番の楽しい思い出です。柏の宮公園は田植えの時期になると園内にある田んぼで田植え体験ができるので、参加したこともあります。今思えば、都会のなかで自然を満喫できる貴重な体験だったと思いますね。浜田山公園は遊具が多い公園で、遊具で遊んだり、友達とかくれんぼしたり。けっこう活発な子どもだったので、公園には思い出がたくさん詰まっています。