東京アスリート認定選手・インタビュー(21)畠田瞳選手(町田市、大田区)・大口真奈(練馬区) 女子体操 (2017/12/11)

畠田選手と大口選手の写真

【後編】
東京アスリート認定選手で体操競技の畠田瞳選手と大口真奈選手。
共に高校生で成長著しく、同世代をリードする存在になりつつある2人は、どのような選手なのか、前編後編にわたりインタビュー形式でお伝えしています。

前編では、畠田選手・大口選手の体操競技との出会いや競技をはじめた頃のことなどをお伝えしましたが、後編では、両選手の今季の活躍、今後の目標などにも迫ります。

~同世代をリードする存在へ~

今季、畠田選手・大口選手は両選手共に東京アスリート認定選手・体操女子ナショナルチーム(※2)にも選ばれ、様々な大会で好成績を残すなど、まさに「飛躍のシーズン」だったといっても過言ではない。その背景には何があったのだろうか。

【畠田】「東京2020(※3)」へ向けての体操女子ナショナルチームの合宿が始まり、周りがトップアスリートしかいないという環境で練習をする中で、他の選手の練習の仕方や実際の演技を見て、自分には足りていない部分に気づくことができるようになり、練習に活かせるようになりました。また、東京2020の練習で、自分のコンディションを大会に合わせて臨むことができるようになり、今季の好成績に繋がったと思います。

【大口】ナショナルチームに選ばれたことで、今まで以上に東京オリンピックに向けて頑張っていかなくてはという気持ちが強くなりました。練習時間が増えて、より体操のことを考えるようになりました。

ナショナルチームに選ばれたことで、トップレベルの選手と共に練習できる環境と、自身もナショナルチームの一員であるという自覚が、更に両選手を成長させたのだ。

畠田選手の写真1

【畠田】ナショナルチームに選ばれたことで、各媒体への露出も増え、名前を覚えてもらえる機会も増えました。
大会などで名前を呼んで応援してもらえるのはすごく嬉しいです。

【大口】周りの方々は、昔から変わらずに応援してくれています。オリンピックに出場することが目標ではなく、メダルを獲れる演技を目指します。

また、両選手にとって、ナショナルチームに選ばれたという自信と、多くの声援は、更なるモチベーションの向上に繋がっている。

さらに、大口選手は東京アスリート認定選手に選ばれたことで、東京都が実施するメンタルトレーニングセミナー(※4)を受講している。メンタルを強化することは、今季の活躍に影響したのだろうか。

大口選手の写真1

【大口】1回目を受講したばかりですが、試合前などのモチベージョンの保ち方など、メンタル面での違いに大きな手応えを感じています。

今年引退を表明したゴルフの宮里藍選手をはじめ、多くのトップアスリートはメンタルトレーニングを重要視している。トップレベルで戦うには、技術面だけでなく、精神面を磨くことも重要なことなのだ。

~東京2020大会にかける熱い想い~

畠田選手・大口選手とも体操女子ナショナルチームに選ばれたことにより、東京2020大会が手の届くところにまできている。そして、両選手共に、はっきりと次のステージを見据えていた。

【畠田】技の安定性だけでは世界では戦っていけないので、今よりも難度を上げてパワフルで美しい演技ができるようにしたいです。来年の世界選手権は個人総合に出場して、東京2020大会へ繋げていきたいです。

【大口】元々、東京2020大会を目指していたので、得意な部分は伸ばし、苦手な部分は克服できるよう毎日練習に励んでいきます。


両選手共に、東京2020大会を目標に日々練習に励んでいる。畠田選手・大口選手共に今後の活躍から目が離せない。

~体操競技と畠田選手と大口選手自身の演技の見どころ~

世界体操競技選手権の種目別女子ゆか運動で、日本勢初の金メダルに輝いた村上茉愛(まい)選手の活躍も記憶に新しく、女子体操競技に興味を持った人も多いだろう。東京2020大会に向けて女子体操競技をより楽しく応援するために、競技の見どころについて語ってもらった。

【畠田】女子にしかない種目として段違い平行棒があります。ひねる時に足割れ(※5)をしてしまう選手が多いのですが、その部分が綺麗に出来ていると仕上がりが全然違って見えます。

大口選手の写真2

【大口】選手の膝やつま先が綺麗に伸びているかなど、細かな部分を注目してみてください。また、技の組み方は各選手個性が出ているので面白いです。

東京2020大会を目標に競技に取り組む畠田選手と大口選手。これから応援していくにあたり、両選手の強みを語ってもらった。

【畠田】昔から練習するのが好きで得意な段違い平行棒は注目していて欲しいです。また、跳馬では、あまり他の選手がやらない珍しい新技を練習中なので、楽しみにしていて欲しいです。

大口選手と畠田選手の写真

【大口】全種目、指先からつま先まで、綺麗に美しくやることを意識しています。また、跳馬のチュソビチナ(※6)という技を新しく取り入れて跳んでいるので、注目して見て欲しいです。

東京2020大会を目指す、畠田選手・大口選手が開花するがごとく成長している、この瞬(とき)に出会えたことは幸運である。両選手を応援しつつ、これからも追い続けたい。

(※2)東京オリンピックに向け、競技力の向上を目的とした専門的なトレーニングを行うために選抜されたチーム。選考対象は12歳から17歳までの体操競技選手。平均台、段違い平行棒、ゆか、跳馬4種目のテストや基礎体力測定の結果選抜されたチームである。

(※3)2020年に東京で開催される、東京オリンピック・パラリンピックのこと。

(※4)東京都が開催する、東京都アスリート認定選手に向けたメンタルトレーニングセミナー。

東京都スポーツ文化事業団HP
http://www.tef.or.jp/sports-science/support.jsp

(※5)ひねり技の時に、両足が離れてしまい、足と足の間に隙間が出来てしまうこと。

(※6)前方伸身宙返り1回半ひねりを行う跳馬の技

体操競技についてもっと知りたい!!
https://www.2020games.metro.tokyo.jp/taikaijyunbi/taikai/syumoku/games-olympics/gymnastics/index.html

日本体操協会HP
http://www.jpn-gym.or.jp/

畠田 瞳 選手

【プロフィール】
はたけだ・ひとみ 日体大荏原高等学校在学中/セントラル目黒所属
第69回全日本体操種目別選手権 (2015) 段違い平行棒4位
第70回全日本体操種目別選手権 (2016) 跳馬5位 / 段違い平行棒6位
第71回全日本体操種目別選手権 (2017) 段違い平行棒優勝 / 平均台4位 / 跳馬8位
NHK杯 個人総合 7位(2017)
カナダ国際 個人総合 優勝(2017)
スロバキア国際 個人総合 優勝(2017)
高校総体個人総合 3位(2017)

大口 真奈 選手

【プロフィール】
おおぐち・まな 帝京高等学校在学中/大泉スワロー体操クラブ所属
第71回全日本体操種目別選手権 (2017) ゆか3位 / 平均台4位 / 跳馬7位
アジアジュニア選手権 個人総合 3位(2017)
スロバキア国際 個人総合 2位、種目別 跳馬・ゆか 優勝(2017)